"> 解明Polka ぃよっしゃぁあああ! 忍者ブログ
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某歌ロイドにはまった人がちまちま書いているようです。ブログ名で好きCPがわかる罠

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ぽるか小話できましたいやふううう!!

難産だった!先に書いていたのじゃなくて後から書き始めた方が先にできてしまいました!(←
というわけでぽるか小説をお送りします。
というかどちらかというとぽ→←るかなんですが。だがそれがいい。少なくとも管理人的には、ぽるかは恋人未満が萌えます。

拙宅のルカ様はどうやら無自覚つんでれの様子。そしてがっくんは見栄っ張りらしい。
そしてぽるかだというのに青いのが出張っているという罠。

……ま、いいか(よくない)取り敢えずぽるかあげられたし、サーチ申請に向けてちまちましてきます。

ルカ視点、最後だけがくぽ視点。ついでに家族視点のカイメイ。

時間かけすぎで余計にぐだぐだ感が拭えなくなっているぽるか(+カイメイ)小話ですが、それでもいい方は続きからどうぞ!



ざあざあと音を立てて、後から後から降り注ぐ雨。
ぱんぱんの買い物袋を提げて、ルカは灰色の景色の中呆然と立ち尽くしていた。

雨の日の買い物は

そもそも今から思い返せば、1人で買い物を引き受けたのが間違いだった。

ふと冷蔵庫を開ければ、中身が底をつきかけていた。そういえば暫く買い物に出ていなかったなと、買い出しを申し出たのは確かにルカだ。ミクとメイコは仕事で居なかったし、リンとレンは出掛ける直前で、慌ただしく準備していた。他に青いのが暇して居たけれど、彼に行かせればアイスばかり買ってくるに決まっているし、一緒に行くなどというのはもってのほかだった。

そう、荷物持ちで行こうかと申し出た彼をはねのけたのもルカだし、じゃあ、雨降りそうだから、せめて傘はもって行きなよと言われたのを晴れているからと断ったのもルカなのだ。

今更後悔しても遅いか、と溜め息をついてから、しかし思い直して頭を振る。桜色の髪がぶんぶんと振られて水滴を周囲に散らしたが、気にしないことにする。

(あの青いの、本命は明らかにめー姉様なのに、どうしてこうも……簡単にほかの女性にも声をかけるのでしょう!)

ルカは、格好良くしっかり者の姉が時折みせる、花のように柔らかな笑顔を思う。あの青いのは、その笑顔は彼の前でしか見せないものなのだと知っているだろうか。
というかそもそも、彼自身がメイコを見るときの目が、どれほど優しさと愛しさに満ちているか、彼自身気付いているのだろうか。
お互いに想いあっているのは、少し2人を見ていればすぐに解った。

けれど、彼らはルカが知る限り、所謂"恋人"という関係にあるような素振りを一切見せない。どんな時も決して家族の枠を出ないのだ。
しっかり者で面倒見のいい姉と、甘えん坊でへたれな弟、という枠を。

ルカだけではない。ルカよりもずっと長くあの二人と共に暮らしてきている双子もミクも、家族以上の関係を伺わせるような様子は見たことがないという。
ただ、ミクはこうも言った。

「ミクが初めてこのパソコンにインストールされた時のことだよ。お姉ちゃんもお兄ちゃんもあったかく迎えてくれたけど、その時はちょっとだけ、ミクには入り込めない空気が、2人の間にあった気がしたんだよ」

直ぐにそんなの感じなくなっちゃったから、ミクが緊張してただけかも知れないけれどね、と曖昧に笑って彼女は続けたけれど。

彼らに関して、これ以上の情報は、年下組の手元にない。
そうして判らないのももどかしいものだが、それ以上に焦れったいのは進もうという意志の感じられない2人の関係だ。そしてこれは、ルカたち4人が共通して思っていることだ。……とルカは踏んでいる。鏡音弟は判らないが、少なくともミクとリンはそう思っているはずだし、彼もそうだろう。

そこでふと思考の海から浮かび上がって、ルカは溜め息をついた。

思考が反れてしまった。こんなことを延々と考えていても仕方がないし、もうそれなりに長く突っ立っているはずなのに、雨は止むどころか益々強くなっていた。
この電子の世界には、水の必要性は全くない。その供給源が雨である必要も全くない。けれどこの世界には雨が降る。まるで人間の住む現実の世界を映す鏡のように、彼の世界のために作られたここは存在している。何しろだいぶ前から気づいた時には出来上がっていた世界観であるらしくそのシステムの存在理由はルカには判らないけれど、こういう時には恨めしくなる。

どうにも雨の日というのは気分も沈みがちで好きになれない。ざあざあとひたすら水滴のはじける音に包まれていると、それ以外の音がないような気さえしてくるし、世界が閉じてしまうような錯覚を覚える。
そしてそんな中ではとかく余計なことを考えてしまうのだ。

今だって、メイコとカイトの関係なんて、ルカが考えてどうにかなるものでもないのに考え込んでしまった。
そもそも、メイコはともかくカイトの事はあまり気に入っているわけではないのに、どうしてこうも"2人の"幸せを祈ってしまうのか、ルカ自身でもよくわからない。

とにかくそういうわけで雨は嫌いだ。買い物の後に追い打ちなんて掛けてくるから、たった今余計に嫌いになった。しかしルカが嫌いになったところで雨が止むわけでもない。

溜め息をつく以外にすることがなくて、ルカは再び、しかしさっきよりもだいぶ盛大に溜め息をついた。
とその時誰かが正面に立ったらしく、視界に影が差す。俯いた視界に映るのは、白の袴と紫の腰紐。
影を辿るようにルカが顔を上げれば、ルカが予想した通りの人物が、流麗な笑みを浮かべて立っていた。

「こんにちは。ルカ殿も買い物であったか?」

「……ストーカーですか」

「……ルカ殿はなんでそうなるのでござろうか」

整った顔に困ったなあといわんばかりの苦笑を浮かべて、がくぽは手に提げたスーパーのレジ袋を見せてきた。

「見ての通り、拙者も買い物帰りでござるよ」

「……マイバッグを使わないのは環境によくないと思いますけれど」

しばらく考えてからルカはそう返した。実際この世界でごみが出ようと現実には全く影響はない筈だが、現実の流行にに引っ張られてか最近はこちらでも「エコ」が流行ってきている。

実際他の返し方だの対応の仕方だの、こういう場でお隣さんに会った時のものにはもっとふさわしいものがあると、ルカ自身もそう思う。だがこの男に対しては、そういう態度をとる気にはなれなかった。

別に、嫌いだというわけではない。ただ気に入らないのだ。
がくぽと共に居るのは、どうにも居心地が悪い気がした。彼の隣に立つのは、どうにも落ち着かなくて、気にしたくないのにどうしても隣の存在を気にしてしまう。だからルカは極力がくぽと顔を合わせるのを避けてきた。仕事で顔を合わせる時も極力同じ場所に居ないようにした。とにかく避けられるだけ避けてきた。

そして目の前の男も、「ルカ殿は手厳しいなあ」とわざとらしく肩をすくめはするものの、特に気にした様子もない。

いや、初対面の時は違った。ルカはそもそも初めて会ったときからこの男の事が何故か気に入らなかったので、始めましての挨拶もこういう素気ないを通り越したものになった。流石にそのときのがくぽはどうにも落ち込んだ様で、ルカの前では特に態度は崩さなかったものの、相当後で落ち込んでいて、

「拙者はなにか初対面の女性に嫌われるようなことをしてしまったのでござろうか……」

と、見るも哀れなほどにどんよりとした空気を纏って膝を抱えたのだと、メイコから聴いている。それがその後、暫くカイトと一緒に話した後、嘘のように元気を取り戻したのだと……あの青いのは一体何を吹き込んだのだろうか。
それからはうっとおしいほどに話しかけてくるし、いつも決まって羨ましいほどに綺麗な笑顔を浮かべてくる。
今だってそうだ。

ルカが暫く黙っていれば、がくぽはすっと差していた傘をルカの方に傾けてきた。

「……何ですか」

「いや、傘がないようにお見受けした故、入っていかれればと」

「結構です!」

即答で発せられたルカの拒絶に、がくぽは落ち込むことはなく、寧ろやはりといったような表情で、ルカの手に無理やり傘を握らせる。一瞬予測できなかった行動に反応が遅れたルカが慌てて傘をつき返そうとすると、がくぽはどこからか折り畳み傘を取り出した。
その用意の良さに、ルカは思わず呆れてしまった。

「随分と、用意がいいんですね」

「うむ、拙者は傘は常備が基本であるが故。その傘は遠慮なく使うといい」

返すのはいつでも構わぬぞ、と言い置いて、がくぽはその場を去ろうとする。
それでいい。傘を借りたからもうここでじっとしている理由はないけれど、がくぽはお隣さんだけれど、だからと言ってそれはルカががくぽとともる買える理由にはならないのだから、とルカはそう思った。
しつこいほど付きまとわれても困るのだから。

けれどそんな思いとは裏腹に、ルカは袋を提げていた方の手を伸ばして、がくぽの上着の裾をつかんだ。同時に慣性の法則で重い袋は思いっきりがくぽに突進した。ぶつかった袋は痛かったはずだ。けれどがくぽはそんなことを微塵も感じさせないような、その代わりにとても驚いた表情で、ルカの方を振り返った。

「ルカ殿……?」

呼ばれて、ルカははっと我に返った。慌てて掴んだ裾から手を離す。

「え、ええと……その……か、傘を」

自身の行動に戸惑いながらも必死に言葉を紡ぐ。けれど思考は別の場所に居て、うまく言葉を紡がせてくれない。

ぐるぐると言葉ばかりが脳裏を渦巻いて、意味をなそうとしない。何故、どうして、この男と居るのは好きじゃないのに、どうして今、

(行っては嫌だと、思ったのですか……!?)

自分の思ったことをはっきり言葉で認識した瞬間、ルカは耳まで真っ赤に染まったことを自覚した。

「る、ルカ殿!?いかがなされたの……」

「傘を、返しに行くのは面倒なので!」

心配するような戸惑うようながくぽの言葉を遮って言葉を発したルカは、一瞬ためらった後、小声で続けた。恥ずかしさでがくぽの顔をまともに見ることもかなわない。

「……ご、ご一緒してもいいですか……」

ともすれば雨音にかき消されてしまいそうなその言葉は、がくぽの耳にはしっかりと届いた様で。

「よろこんで」

そう、今まで見た中で一番きれいな笑顔と共に返してくれた。

その笑顔は、誰もが見掘れそうな魅力を持っていて、だから胸が高鳴ったのはきっとこれが普通の反応なのだとそう自分に言い聞かせて、ルカはためらいつつもその笑顔の横に立った。


◇ ◇ ◇


お隣の家の玄関で、2人を出迎えたのはカイトだった。
ルカは傘をがくぽにつき返すなり「青いの、邪魔です!」と言って、のんびりとした笑顔のカイトを押しのけてさっさと家に入ってしまった。取り残されたがくぽはしかし、最後まで朱の抜けることのなかった彼女の顔を思い返し、思わずふっと微笑んだ。

「……がっくん、思い出し笑いもいいけど惚気は聞かないからね」

呆れたように、しかし笑顔は崩さないカイトに、がくぽはすこしいじけたような表情になる。

「……買い物に行くなら傘を2本持って行けと、そう言ったのはカイト殿であったかと」

「それとこれとは話が別ってやつだよー。じゃ、アイスが溶けるから僕はこれで。」

今日のはイチゴなんだよ、めーちゃん色なんだよと変態と紙一重な発言をするカイトに、がくぽは惚気ているのはどっちだと突っ込みたくなる。
しかしくるりと背を向けたカイトが、ぎりぎり聞き取れる音量で言った言葉に、その言葉は呑みこまれた。

「良かったね、照れてるのがルカにばれなくて」

言葉を失ったがくぽをおいて、楽しそうなカイトは玄関の扉の向こうに消えた。

赤面はしていない自信があった。ルカに悟られていない自身もあった。なのになぜ彼にはばれた。

真相は今のところ闇の中だが、彼は予想以上に油断ならない相手なのかもしれないと、2本の傘を手に隣の我が家へと歩きながら、がくぽは思った。

(……そもそも、ルカ殿の事を想っていることも、誰にも言ってない筈なのだが……)

そんな一抹の不安も、今日見られた想い人の真っ赤な顔を思い出せば吹き飛んでしまって。
雨の日の買い物が、がくぽに一握りの幸せを与えてくれたことは確かだった。
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