某歌ロイドにはまった人がちまちま書いているようです。ブログ名で好きCPがわかる罠
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めーこさんの片思いいいなあと思っていたら、抽象的な小ネタが出来上がっていました。
どうも、管理人です。
という訳で、カイ|←←メイな小ネタをお届けします。
優しさって時に残酷よね……!ってお話かもしれません。
でももしかしたら、この間の夫婦ぽるかのとこのカイメイの過去かもしれません
長さはこの間のルカ独白と同じくらいです。
今のところ小ネタに暗いのばっかり集まっているので、そのうち明るいのも書きたいですねー(←
というわけで、何でもばっち来いなお暇な方は、続きよりどうぞ。
どうも、管理人です。
という訳で、カイ|←←メイな小ネタをお届けします。
優しさって時に残酷よね……!ってお話かもしれません。
でももしかしたら、この間の夫婦ぽるかのとこのカイメイの過去かもしれません
長さはこの間のルカ独白と同じくらいです。
今のところ小ネタに暗いのばっかり集まっているので、そのうち明るいのも書きたいですねー(←
というわけで、何でもばっち来いなお暇な方は、続きよりどうぞ。
◇ ◇ ◇
降り積もる雪が音を吸う、静かな静かな冬の夜。
窓の外は真っ暗で静かで、雪だけが密やかに積もっていく。
透明な壁の向こう側は、凍てつく世界。
透明な壁を隔ててこちら、部屋の中は、暖房が効いて温かい。
近くにある別世界を、メイコは身じろぎもせずに眺めていた。
透明な壁に顔を近づければ、口元の部分だけが、曇って、けれどまたすぐに透き通る。
舞い落ちる雪以外に動くものもない、確かに動いているのに止まっているような景色から、メイコは目を離せずにいる。
どうしても、その景色に重ねてしまうものがあるのだ。
止まっているように見えて、確かに少しずつ積み重なっている雪に。
別世界とはいえ、近づくほど空気は冷える。
動こうとしないメイコの手足の先は、ゆっくりと冷えていっていた。
もっとも、それにいちいちメイコが構うこともなかったが。
そこに、不意に温かい空気が舞い降りる。
「姉さん、こんなところにずっといたら風邪ひいちゃうよ」
春風のような温かい声に、メイコは驚いて振り返る。
メイコの肩にショールを落とした張本人は、にこにことメイコの顔を覗き込んでいた。
「カイト」
滑り落ちそうになったショールを慌てて押さえて、メイコは愛しいその名を呼んだ。
外の静けさとは正反対に煩い鼓動を押さえつけて、必死に平静を装う。
頬を赤らめてはいけない。言葉に違和感を持たせてはいけない。ほんの些細な挙動にも、秘めたる想いを匂わせてはいけない。
そうして注意して行動することに、いつしかメイコは慣れ始めてもいた。
けれどやはり、鼓動ばかりはそう簡単に抑えられるものでもなかった。
そんなメイコの胸の内も知らずに、カイトはメイコの肩越しに、窓の外をのぞいた。
「何か面白いものでもあった?」
「ううん。ただ、雪が積もるのを見てたの」
「へぇ」
カイトはそのまま、外の景色を見つめている。
カイトの吐息が、肩越しに窓ガラスを曇らせるのを、メイコは必死に意識の外に追いやりながら、同じように外を見つめる。
「……静かだね」
「そう、ね」
煩いのは、メイコの中に響く鼓動だけ。
それ以外の音は、まるで存在しないかのように静かで、時間の感覚すら、遥か彼方に追いやられてしまったようだった。
やがてカイトはすっとメイコから身を離すと、合わせて振り返ったメイコに微笑んだ。
「さて、ぼくはもう寝るよ。姉さんも冷えないうちに寝なよ?」
「わかってるわよ」
姉さんなんて呼ばないで。恋愛に変わらないのなら、親愛も優しさもいらないの。
言いたい言葉を全て、ぐっとこらえれば降り積もる。
「うん。じゃあ、おやすみ」
「おやすみ、カイト」
ショールの下から小さく手を振れば、カイトもそれに応えてくれた。
ドアの向こうに、青い人影が消えるのを見送ってから、メイコは透明な壁の向こうに視線を戻した。
静かに積もる雪に、重ねる恋心。凍てつく世界で積もっていく。
温かい世界では、全部溶けてしまわなければならない。
優しい春風が、熱くて熱くて仕方なくて、いっそ溶けてしまえたらいいのにと、メイコはぎゅっとショールの端を握り込んだ。
降り積もる雪が音を吸う、静かな静かな冬の夜。
窓の外は真っ暗で静かで、雪だけが密やかに積もっていく。
透明な壁の向こう側は、凍てつく世界。
透明な壁を隔ててこちら、部屋の中は、暖房が効いて温かい。
近くにある別世界を、メイコは身じろぎもせずに眺めていた。
透明な壁に顔を近づければ、口元の部分だけが、曇って、けれどまたすぐに透き通る。
舞い落ちる雪以外に動くものもない、確かに動いているのに止まっているような景色から、メイコは目を離せずにいる。
どうしても、その景色に重ねてしまうものがあるのだ。
止まっているように見えて、確かに少しずつ積み重なっている雪に。
別世界とはいえ、近づくほど空気は冷える。
動こうとしないメイコの手足の先は、ゆっくりと冷えていっていた。
もっとも、それにいちいちメイコが構うこともなかったが。
そこに、不意に温かい空気が舞い降りる。
「姉さん、こんなところにずっといたら風邪ひいちゃうよ」
春風のような温かい声に、メイコは驚いて振り返る。
メイコの肩にショールを落とした張本人は、にこにことメイコの顔を覗き込んでいた。
「カイト」
滑り落ちそうになったショールを慌てて押さえて、メイコは愛しいその名を呼んだ。
外の静けさとは正反対に煩い鼓動を押さえつけて、必死に平静を装う。
頬を赤らめてはいけない。言葉に違和感を持たせてはいけない。ほんの些細な挙動にも、秘めたる想いを匂わせてはいけない。
そうして注意して行動することに、いつしかメイコは慣れ始めてもいた。
けれどやはり、鼓動ばかりはそう簡単に抑えられるものでもなかった。
そんなメイコの胸の内も知らずに、カイトはメイコの肩越しに、窓の外をのぞいた。
「何か面白いものでもあった?」
「ううん。ただ、雪が積もるのを見てたの」
「へぇ」
カイトはそのまま、外の景色を見つめている。
カイトの吐息が、肩越しに窓ガラスを曇らせるのを、メイコは必死に意識の外に追いやりながら、同じように外を見つめる。
「……静かだね」
「そう、ね」
煩いのは、メイコの中に響く鼓動だけ。
それ以外の音は、まるで存在しないかのように静かで、時間の感覚すら、遥か彼方に追いやられてしまったようだった。
やがてカイトはすっとメイコから身を離すと、合わせて振り返ったメイコに微笑んだ。
「さて、ぼくはもう寝るよ。姉さんも冷えないうちに寝なよ?」
「わかってるわよ」
姉さんなんて呼ばないで。恋愛に変わらないのなら、親愛も優しさもいらないの。
言いたい言葉を全て、ぐっとこらえれば降り積もる。
「うん。じゃあ、おやすみ」
「おやすみ、カイト」
ショールの下から小さく手を振れば、カイトもそれに応えてくれた。
ドアの向こうに、青い人影が消えるのを見送ってから、メイコは透明な壁の向こうに視線を戻した。
静かに積もる雪に、重ねる恋心。凍てつく世界で積もっていく。
温かい世界では、全部溶けてしまわなければならない。
優しい春風が、熱くて熱くて仕方なくて、いっそ溶けてしまえたらいいのにと、メイコはぎゅっとショールの端を握り込んだ。
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